今の日本は高齢化、少子化や核家族化などが原因で、一人暮らしの高齢者層が年々増えています。
こういった環境でも以前なら、地域ぐるみでの近所付き合いなども活発に行われていましたが、最近ではアパートの隣に住んでいる人の名字すら知らない…、というくらい近所同士の繋がりも希薄になっており、一人住まいの高齢者の孤独死件数も増えてきているそうです。
こうした高齢の両親と離れて暮らしている人たちへ社会はどう対処すべきか、そして高齢者の一人暮らしが増える背景やリスク等にスポットを当て、今回はお話したいと思います。
外部との交流があるケースも
上に挙げたとおり”一人暮らしの高齢者”の人数は増えてきています。
特に65歳以上は男女とも年々増加しているそうで、中でも配偶者に天国からお迎えが来る確率が高くなり始める”75歳以上の高齢女性”が最も比率が高いと言われています。
ではそういった高齢者の方々ですが、60歳以上の人の61.0パーセントが何らかのグループ活動、コミュニティに参加している場合が多いそうです。
某機関の調査によると、特に近年「健康・スポーツ」に関するサークルへの参加が多いと言われます。
60歳以上の高齢者の場合、「何らかの外部の交流がある」と答えた人は、女性80.7パーセントに対して男性73.8パーセントとなっています。
その結果、男性のほうが他人やグループとの交流が少なく、頼れる人がいないという傾向が読み取れます
そもそも一人住まいの高齢者が多い原因とは
では何故昔と違い、高齢者が一人暮らしをする状況が増えたのでしょう?
その原因の一つに『核家族』化が挙げられます。
例えば、昭和の中期から日本で放映されている
アニメの”サザエさん”。
こちらの家庭は、一家の家長の波平さんから孫のタラちゃんまで、3世帯が暮らしている、いわゆる“大家族”です。
昔から放映されているアニメだけに、時代背景となる昭和の中期頃までは、実際にこういう孫からお爺ちゃんお婆ちゃんと暮らす大家族が多かったと言われています。
しかし平成をとっくに過ぎた現在では、アニメの”クレヨンしんちゃん”のように夫婦と子供だけで一軒家やマンションで暮らし、その両親は”地方の実家”で別々に暮らしいている…という『核家族』が今の現状ではないでしょうか?
この様に、”子供は大人になったら家を巣立っていく”という現象、特に地方出身の子供など、将来は憧れの仕事やチャンスも多い都会に憧れる傾向があり、上京する事で親とは盆と正月くらいしか会わなかったりするケースが増えています。
さらに深刻化している”熟年離婚”など。
こういった原因等も高齢者が一人暮らしをする状況が増えた原因と考えられています。
しかしそうなってくると心配なのが、病気の時や一人ではできない日常生活に必要な作業の手伝いなどについて頼れる人の有無です。
一人住まいの高齢者で”すぐに頼れる人が身近にいない”と答えた人が12.3パーセントも存在しているそうです。
それに伴う深刻な問題とは
多くの60歳以上の高齢者に対して、経済的にも現状の生活に満足しており、このまま一人暮らしを続けても今の生活に不満がないと感じている方が多いそうです。
しかし、そうなると一つ問題が考えられます。
それは身体だけでなく“脳の老い”という問題です。
高齢者の一人暮らしには、認知症によるトラブルや、それに伴う孤独死などの心配も出てきます。
例えば、あなたのご近所に結構良い年齢の大人なのに、夜に大声で怒って叫んでいる人って居ませんでしたか…?
これは自宅で酔って悪ノリしている大学生の事ではありません。
高齢化による認知症が原因の挙動とも言われ、そうなると騒音の苦情によりご近所とのトラブルになる場合もあります。
最悪の場合、犯罪に発展したり、今住んでいる部屋からの退居を余儀なくされたりする場合もあるため、そういった視点から認知症高齢者の一人暮らしは問題が大きいと考えられます。
高齢者の一人暮らしを支えるには
状況にもよりますが、家族ができることの一番は、やはり「一緒に暮らすこと」です。
但し仕事の都合で遠くに住んでいる等、同居が難しい場合は、公的な見守りサービスを活用すると良いでしょう。
サークルやボランティア活動、自治体といったグループ活動に参加するよう、家族が促してあげるという方法もあります。
他にも家事代行業者には”シニアサポート”というサービスがあり、を週に1~2日だけでも派遣させるという方法もあります。
こういったシニアサポートを手がけている業者なら、
つきっきりで介護は必要ないけれど「一部の家事のサポートや定期的な様子確認はお願いしたいな…」という場合に需要があります。
こういった民間の家事代行サービスを利用する、という方法もありますので是非、記憶の片隅にでも留めておいて下さい。